黒豹の多彩な唇! <ソロ極北=MJ 洞察>  【ザ・ラバー/ミック・ジャガー】

矢面な猫科の生物としては、皇帝格であろうマイケル・フィリップ・ジャガー氏。
巨額ユニット ザ・ローリング・ストーンズに於いても未だ総帥を務めますが、
シェア関係にある お任せ店主の放つコヨ-テの如き獣臭性を排他したらしたで
フロント・ケミカルは優越に実践されてゆくが、皆余り望みゃしない。何故?

ミック・ジャガー

当初期、白痴っぽさをも担う訳でストーンズへの音楽的配給は
ボイス・シ-クェンス = ワ-ド・ピックアップのみだと浅薄に思い込んでおりました。
ギタ-弾けず触わるぐらいで、うたメロとコ-ド・ワ-クをリチャーズが懸命に
仕切っていると。/Richardsと記すからには。あと、B.ハ-プとかも余技。
だけど、一見表層での<骨>っぽき単純さは想い尽くせる限りの〔楽器群-挿入配置案〕を
ミッチリと詰め込んだ<髄>に拠る賜物であると遭遇する割れ・潰れ・塗りが報せてく。
ヴォ-カル・ラインまでのっけから出来ている曲もあろうが、凡そ固められた進行と構成へ
肉声と歌詞を乗せなきゃいけない苦慮でかなり鍛えられた事でしょう。背負ってたのです。
それで、独個のソング・ライティングとミュージック・ウィルスもドンドン然るべき欲に。
元来の好奇心・感応力・吸収病によるトップコートからベ-シック分野を殆ど網羅する識は
多様な試みのコンポ-ズ方法が叶う共謀の懐を余裕で備えています。太く洒落られるのです。
インストゥルメントに関しても自尊~向上/財源~環境と知己を時間軸に揃えられる為、既に
彼の編みだしたリフが幾つも冒頭から鳴るし、ボトム・ノ-トは浸み込んでいるビルの先行癖に+重心を預け捏(こ)ねつける興じ方。ドラム・マシ-ン弄くりこなし、アコ・エレの鍵盤だって好きな風に遊べ語れる次第。

名義上での映画「performance」劇中歌や、お蔵だったジョン・レノン協力のLAビジョン、ピ-タ-・トッシュへのゲストvocalに身を投じ、
85年デヴィッドボウイとのアレで賑わせる頃には、バブル・ライドな本格ファ-スト・アルバム「SHE’S THE BOSS」が吠えていました。
相応だとばかりにN.Y尖端のプレッシャ-&エコ-と本人意地のエラいリキみが建築するロック邸宅です。歌も後方も、腰据わり容赦なく来客を迎えます。
根深さ故ブラック・ポピュリズムのヴァリエ-ションを並に列挙させ過ぎ、メロディが偶像っぽくなる安し青き箇所も見受けられるのが如何にも80年代さ、と。
メインのジェフ・ベックは1曲目からミックを引っ張り上げにかかるが、(煽ったピ-トは歯切れを効かそうと堰き止めたり、5曲目沈静のアコギ撫でつけたりもする)
3、6、7、9とスライ&ロビ-による針の孔通しリズム・トラックだろうが極太軒昂よろしく刻々奏でる。べ-ス奏者バ-ナ-ド・エドワ-ドが堅実なポインティングで転がし、そこへプロデュ-サ-が自らギタ-・ワ-クを添える2、4、8のラインナップと請うたパタ-ンを振り分けてある。ル-ツからの新萌芽も前派手に、ア-バニックな一枚。

続く二年後の「PRIMITIVE COOL」。よりモダ-ンポップな上乗せに贅沢な肌触りは全く失せてないが、まず一英国人ありきと確認へ及んでいる節が採れる。
メロウでソフトリィ、何処なのかノスタルジ-だし。ジェントルだけどヴァイオレント、カラフルだけどグレイ。作為は成熟し、遠い過去も近い未来も易々と描き出す。
テンポとビ-ト、やたら強靭で彩りも忘れておらず裏派手ではある。TOTOの高額ドラマ- サイモン・フィリップにリヴィング・カラ-勢 ダグ・ウィンビッシュ(B、遅れて加入)が運びに筋を入れ、ヴァ-ノン・リィド(G)も奥で唸りを轟かせる。べックは抑えていようが吹きモノより常、高らかに在る。デイヴ・スチュワートも整頓に貢献し、共作にて新域へと招いてみせる。速~いナンバ-は7番だけで次が8番。1、4、6が軽快さ適度なアップ、リズミカルでアイランドな2は心地良い。シャウトし捲るファンク・ヘヴィネスの3。タイトルの5は仕組が工夫され、スロ-な9、10は終焉味~厳粛さで移る。総じてメランコリックなム-ドが細やかに配られているレコ-ド、一人で日本へ斥候してみせた季節。

ミック・ジャガー

93年、スタジアム・パッケ-ジ確立の大成功を享受し身軽に渦へ舞う3rd「WANDERING SPIRIT」。シカゴ・ブル-ス戦隊ザ・レッド・デヴィルズとのヤング・エキス注入Recを経てレッチリPリック・ル-ビンとの喧嘩議論で研磨。大御所フォ-ムではなく瘦せぎすの兄(アン)ちゃんが奮うフット・スピ-ドを回帰叶った。ニュ-・パ-トナ-・ギタリスト ジミ-・リップのシャ-プなバッキング・タッチが冒頭から突進させる乾いたサウンドは軽そうで固く締まっており一揆の様にロ-ルを遂げていく。ゴスペル調の3、コンテンポラリ-な脂も当然2、6、9と置かれるがBlackin’と云うよりもっと幼少時へ遡って白人歌謡に寄った曲(うた)創り。シックな4、50’Sな5、セピア・カントリ-の7、ちびっと濁った8、ロカビリアンの10、ウェディングな11と12、王朝律の13、英承民謡の14と沢山収めタフ・サ-ヴィス。シンプリィで肌身に近く、コンパクトさに暇(いとま)がないべ-シック集。

ミック・ジャガー

跨いで01年。高尚な多幸が溢れても、不充の陰影は纏い憑くのか?ハイ・クリア-「GODDESS IN THE DOORWAY」にて四作を数えます。占術にでも縋ったかの日々を、雰囲気化させた印象を持ちます。果てへ来れていない喜びに悩む生命の懲役。「旨過ぎる」と評され「崩せ」とPからお達し!無尽の艶濁入魂行うヴォ-カリゼ-ションは、絶大信頼マニュピレ-タ- マット・クリフォ-ドの緻密に効能を計算したバラエティ-に余剰な清涼へ浸されMAXを獲る。まぁ、セ-ルスはコケたらしいんですけど(悔)。国籍性は混在・拡大されトラヴェル・パズルの妙も得てます。洗練ダンス・カルチャ-は脇に挟んで、普遍な耐久鮮度&好感音触を目指したか、歯も布も響きが優秀なのです!
マッチボックス・トゥエンティのロブ・ト-マス、U2のボ-ノ、レニ-・クラビッツ、ワイクリフ・ジョン、エアロスミスのジョ-・ペリ-、ザ・フ-のピ-ト・タウンシェンド更に愛娘のエリザベス&ジョ-ジア メイ達により、ライティング・セッション/ダブル・ボ-カル/トラック・インストゥルメンツ/ミキシング・ワ-ク/リ-ド・ギタ-ソロ/リズム・ウォ-ルギタ-/デュエット・コ-ラスetcが織り込まれ、Drsイアン・ト-マスの安定キットへ全部乗せされたファンタスティックな馳走円卓なんです。楽園へは未就、との御様子。

 映画「Alfie」のスコア・コンポジションズから人民の発想ではないバンド?「SUPER HEAVY」結成へ謳った理想郷。

 ~ 自(おのず)を隅々に社(やしろ)の林々へ構え、匹す ~ 
それが生む。
 温もりに満ちぬ 冷える石塊の疑り。叉、熱床を探す・・・

ミック・ジャガー

漆光の毛皮で包んだ表現{ミック・ジャガ-}
「全部、いい曲だと思う。」とベスト盤のインタビュ-で答えた口唇が、
主人公海賊・某みたいに伸縮膨張を際限なく繰り返す獅子座の家長だが、
漆光の叡智を包んだ商品{  GRRR! }乃ち”大猿王”へと至極、変貌しておりますね。
fin

- P.S ミック・コングって「魁!〇塾」に –